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チェリーアベニュー動物病院

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乳歯について

犬や猫の場合人間の赤ちゃんと同様生れたときには歯は萌出していません。
乳歯は生後3週間ほどたってから生え始めます。しかし人間と違うところは彼らの成長がとても早いということです。
乳歯は生後3ヶ月ぐらいからそれに対応する永久歯に生え変わっていきます。

犬と猫における乳歯と永久歯の萌出時期(週齢)
乳歯 永久歯
切歯 4-6 3-4 12-16 11-16
犬歯 3-5 3-4 12-16 12-20
前臼歯 5-6 5-6 16-20 16-20
臼歯 なし なし 16-20 20-24

乳歯遺残

上の表のように、犬も猫も生後5~6ヶ月ほどで永久歯が生えそろうのが正常な身体のメカニズムです。永久歯の歯冠が発育するにつれ乳歯の歯根は吸収されやがて脱落していきます。しかし何らかの原因で乳歯の脱落が遅れると永久歯が本来あるべき場所に萌出できずに別の場所に生えてきてしまいます。その結果他の歯や口の中のやわらかい組織と干渉して外傷をおこすことがあります。また程度の差こそあれ、生涯にわたって生活の質に影響をおよぼす咬合不全の状態になります。

こうした乳歯遺残は遺伝的な影響を受けることが多く、特にトイブリードにその傾向が強いようです。
最も多く見られまた問題となるのが犬における犬歯の乳歯遺残症です。上顎の犬歯の永久歯は乳歯の前方に萌出します。歯と歯が密着していますので歯肉炎や歯周疾患の原因になります。一方下顎の犬歯の永久歯は乳歯の舌側に生えてきます。したがって下顎の乳犬歯がぬけずにずっと残ったままになっているとその舌側に生えてきた永久歯は成長を続け、ついには上顎に突き刺さる状態にまでなる場合もあります。この状態は一般にベースナロー(下顎の狭小)と呼ばれています。

上下の乳歯遺残

上下の乳犬歯の遺残を示す犬の口腔モデル

同時期に同じ機能を持つ乳歯と永久歯が生えているということ(上述の乳犬歯と永久犬歯など)は異常な状態です。全身麻酔下で乳歯の抜歯を行うことによって治療します。去勢手術や避妊手術と同時におこなうと動物のからだにかかる負担も少なく経済的にもリーズナブルになります。

ただし乳歯の抜歯は非常にデリケートな歯科手術です。乳歯の歯根部にはまだ未熟な永久歯の歯胚や成長途中の永久歯の歯根が存在します。万一このような歯を傷つけてしまうとエナメル欠損症などの原因となりますので担当の先生とよくご相談の上歯科処置をおこなって下さい。

適切に乳歯の抜歯をおこなえば、ベースナローのような状態も改善されてきます。また乳歯の抜歯だけでは対処しきれない咬合不全がおこってしまっていても種々の矯正によって生活の質を向上することは可能です。現在自分の子の噛み合わせの問題で悩んでいる方も決してあきらめないでください。

  • 切歯の乳歯遺残

    切歯の乳歯遺残

  • 上下の乳犬歯の遺残(右)

    上下の乳犬歯の遺残(右)

  • 上下の乳犬歯の遺残(左)

    上下の乳犬歯の遺残(左)

  • 乳犬歯の遺残(下顎)

    乳犬歯の遺残(下顎)

  • 乳犬歯の遺残(上顎)

    乳犬歯の遺残(上顎)

乳歯の破折

人間の子供と同様、動物の子供も身の回りのあらゆる物に興味を抱きながら成長していきます。興味のある物は何でも口に入れ、ときにはそれを振り回したり、他の動物や人間と引っ張りっこをしたり。そして本人が予想もしていなかった怪我をするのも人間と一緒です。
詳しくは歯の破折のページをご覧下さい。